岡山県視覚障害を考える会


過去の催し・アーカイブ(1)2015(平成27)年までの催し

2011(平成23)年度

講習会・“視覚に障害ある人の携帯電話について 〜携帯電話の活用をもっと便利に楽しく〜”

日時:平成24年4月22日(日)
会場:岡山国際交流センター

 日本網膜色素変性症協会(JRPS)岡山県支部との共催で、「視覚に障害のある人の携帯電話について」の講習会を開催しました。参加者は約50名で、会場はほぼ一杯でした。
 最初に全体会として、視覚に障害があっても使える携帯電話とiPadについての説明を、富士通と京セラの方、清水さんよりご説明いただきました。そのあと、視覚に障害をお持ちでauの携帯をお使いの馬越さんから、実際に利用している立場からお話をしていただきました。
 休憩を挟んで、分科会として、docomo、au、iPad、情報交換の4つに分かれて自由にお話していただきました。情報交換以外の3つでは、実際に携帯電話やiPadを試していただきながら、日頃の疑問や新しい機能について聞かれていました。

研修会・“視覚障害乳幼児の早期支援について”

講師:元大阪市立視覚特別支援学校教諭 今井 理知子 氏
日時:平成24年6月10日(日)
会場:岡山国際交流センター

 大阪市立視覚特別支援学校で37年間勤務された今井理知子先生の、保育相談教室「こぐま教室」での実践から、視覚障害乳幼児への早期支援についてお話しいただきました。また、最後に視覚に障害のある子どもたちの豊かな発達のために、支援者として皆さんとともに頑張っていきたいことを挙げられました。
 参加人数は19名(会員13名、非会員6名)でした。

研修会・“視覚障がい者の就労支援について”

講師:倉敷障がい者就労・生活支援センター所長 大島 美栄子 氏
日時:平成24年7月29日(日)
会場:くらしき健康福祉プラザ

 倉敷障がい者就労・生活支援センターについて、主な役割を解説していただきました。
 障がいのある方からの就労の相談から、働く力の支援、働く練習をする場の支援、就職活動に関する支援、職場定着に関する支援を行っており、また職場開拓にも力を入れているということでした。そして支援のネットワークが重要であることについてもお話しいただきました。
 参加人数は約10名でした。


2012(平成24)年度

特別講演会・“「私の歩んだ道はモンゴルへ」〜見えないから見えたもの〜”

講師:元岡山県立岡山盲学校教頭 竹内 昌彦 氏
日時:平成24年10月21日(日)
会場:くらしき健康福祉プラザ

 竹内昌彦先生から、眼の障害について理解してほしいというお話から始まり、自身の生い立ちから失明に至るまでのお話しをいただきました。その中で、小学生時代のいじめの経験の中で考えた「生きる」という意味の大切さについて、自分にも関わってくださった先生方の教えが自分の生き方を方向付けていること、見えなくても何でもさせてくれたご両親への想いについてご講演いただきました。
 また、モンゴルでの盲学校作りへの思いについても紹介していただきました。
 参加人数は会員、非会員合わせて37名でした。

研修会・“目の不自由な人にとってのiPad、そしてパソコン”

講師:京都福祉ネットワーク 代表、視覚障害リハビリテーション協会 理事 園 順一 氏
日時:平成24年12月16日(日)
会場:川崎医療福祉大学

 目の不自由な人の生活に役立つiPadについての講演・体験会を開催しました。
 iPadでできることやその構造,便利な機能やおすすめのアプリについてお話しいただき、iPadを操作し体験を行いました。
 今回、福祉情報の専門家である園氏から講話および体験をとおしてiPadが見えない、見えにくい人にとっても便利な道具であり、QOLの向上の一助になることを教えていただきました。
 参加人数は16名でした。

研修会・“ガイドヘルプについて 〜安全な移動について考えてみよう〜”

講師:岡山ビジョン・リハビリテーションインストラクター協会
     岸 哲志 氏、長尾 長彦 氏、正条 智広 氏
日時:平成25年2月17日(日)
会場:くらしき健康福祉プラザ

 本研修会では、同行援護についての情報提供と、ガイドの基本姿勢、クロックポジション、テーブルオリエンテーション等の基本的な生活技術実習を行いました。
 情報提供では、同行援護についての説明、移動支援の基礎知識、同行援護の利用のしかた、その他の移動に利用できる制度についてお話をいただきました。
 また実習では、ヒューマンガイドテクニックが視覚に障害のある人の歩行技術であることの理解を深めていただきました。
 参加人数は12名でした。

講習会・“視覚障害に関わる福祉制度”

日時:平成25年4月28日(日)
会場:岡山国際交流センター

 岡山県障害福祉課から講師をお招きし、視覚障害に関わる福祉制度についてお話をしていただきました。
 お話しは障害者自立支援法に基づく各種サービスのご紹介と説明を主に、障害者総合支援法の施行に伴う変更点、その他利用できる制度や岡山市発行の障害者のしおりの紹介でした。
 困ったことやわからないことがあればお住まいの市町村にある福祉の窓口や相談支援員等に相談し、また当事者自らも情報を収集し、利用できる制度は大いに活用することが大切だと感じました。
 なお当日は会場いっぱいの皆さんにご参加いただき、改めて皆さんの関心の深さが実感できました。

研修会・“「閉じた心を開く盲学校での苦闘の日々から」”

講師:元大阪府立視覚支援学校普通科英語教諭
     視覚障害サポートグループ「綿の実」副代表 新納 季温子 氏
日時:平成25年6月9日(日)
会場:岡山大学医学部

 本研修会では、乳児期に発熱のため両眼を失明された新納先生が、我が子の育児に励みながら盲学校の生徒たちを成長させ、高等部英語教諭として多くの生徒や保護者に真正面から向き合ってこられた体験を通して、心理的なケアのしかたを3つのタイプ(「心理的ケア不要型」、「心理的ケア拒絶型」、「心理的ケア願望型」)に分け、実例を多く紹介しながらお話しをしていただきました。
 盲学校の生徒に対しては、「あいさつができる」こと、「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えること、「ごめんなさい」と謝ることの3つを大切にするよう訴え続けられたお話もお伺いしました。
 参加人数は29名でした。

研修会・“「見えにくい子の大学進学・就労に向けた支援 〜将来のために今、何を学ぶべきか〜」”

講師:慶応義塾大学教授 中野 泰志 氏
日時:平成25年7月28日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 中野先生は本研修のはじめに、「子どもの一生涯の幸せを考えているか」「自分のエゴや価値観で子どもの幸せを歪めていないか」「自分がずっと関わり続けることができないことを理解しているか」「子どもの生きる力をどこで、誰が、どう育てるかをチームで考えているか」と、誰にも反論できない事実を真正面からお話しされました。
 タブレット端末等の機器や法律・制度などの発達により、「障害のある人が社会の中で活躍する可能性は拓かれつつある」と言われ、大学進学や就職の際に、勉強だけでなく、「自己決定を育てる」ことと、「自分を理解する力を育てる」ことの大切さについてお話をしていただきました。
 会が終わっても、たくさんの参加者が中野先生を取り囲み、会場はその後もずっと熱気を帯びていました。
 参加人数は35名(会員10名、非会員25名)でした。


2013(平成25)年度

特別講演会・“「学ぶ喜び 働く生きがいを求めて −私の歩んだ道−」”

講師:元大阪市立視覚特別支援学校高等部 教諭、全日本視覚障害者協議会 相談役・元会長 藤野 高明 氏
日時:平成25年11月10日(日)
会場:岡山国際交流センター

 今回の講演会では、藤野先生の生い立ち(1938年12月福岡県生まれ。小学2年生の夏、近所で拾いそれとは知らずに遊んでいた不発弾が爆発して両眼を失明し、両方の手首から先もも失われた。)から今までの人生の経験のお話しを伺うことができました。
 先生は「ハンディキャップを持つ一人の障害者ではなく、一人の市民として、一人の人として紹介してもらったり、話をしたり、話を聞いてもらったりすることが何より嬉しい」と言われました。
 参加人数は43名でした。

研修会・“リーフレット「かけはし」の報告と懇親会”

話題提供:岡山大学病院 眼科 守本 典子 氏
日時:平成25年12月15日(日)
会場:岡山大学病院

 岡山県内で障害がある人が相談できる施設のリーフレット「かけはし」を平成24年6月に発行してから1年以上が経過しました。当会副会長の守本先生から実態調査を基にした活用状況に ついて報告していただき、その後の懇親会では参加者間で情報交換を行いました。
 参加人数は11名でした。

研修会・“ロービジョンとiPad 〜支援者として知っておきたい活用法〜”

講師:広島大学大学院准教授 氏間 和仁 氏
日時:平成26年2月9日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 本研修会では、広島大学の氏間先生をお招きし、弱視児者の生活や学習を支援するためのiPadの活用法を具体的にお話しいただきました。また、ご自身が弱視である広島大学の卒業生の方も来てくださり、iPadをどのように活用しているか、ご自身の体験を語ってくださいました。
 参加人数は21名(会員11名、非会員10名)でした。

講習会・“〜もっと使おう便利なグッズ〜”

日時:平成26年4月27日(日)
会場:岡山国際交流センター

 シナノケンシ(プレクストーク)・KDDI(iPad、iPhone)・高知システム開発(パソコンソフト)・タイムズコーポレーション(拡大読書器)・メガネのタナカ(遮光眼鏡・単眼鏡・ルーペ)・岡山県視覚障害自立支援センター(白杖・便利グッズ)のご協力により、日常生活用具や補装具の対象となっている用具や、便利グッズを展示し、県内外からお越し頂いた120名の参加者の方々にそれぞれ体験していただきました。
 6つのブースはどこも担当者は説明に追われていましたが、障害者同士で使い方を教えあったり、情報を交換し合ったり、日々の困りごとの相談にのってもらうなど、講習会ならではの場面も見られました。  また、ガイド体験と白杖の相談コーナーでは、14名の方に来ていただき、基本的なガイド歩行の体験や白杖の役割や種類の紹介、その他電子図書や盲導犬についての情報提供もいたしました。

研修会・“はじめの一歩 歩行訓練士との出会い”

講師:日本ライトハウス 情報文化センター 松本 一寛氏
日時:平成26年6月22日(日)
会場:岡山国際交流センター

 本研修会では、突然の病から失明された松本さんが、2002年に北九州で受講した歩行訓練に大きな影響を受け、日本ライトハウスへの入所、さらに職員として採用されるまでのお話しを伺うことができました。
 お話しの中で、歩行訓練・生活訓練を受けたことではじまった社会復帰の一歩目が、自立に向かう自分の礎になっていることと、一人一人に合わせた支援のあり方が欠かせないことが印象に残りました。
 参加人数は19名でした。

研修会・“就労研修会「ワークランド虹の活動等について」”

講師:ワークランド虹 サービス管理責任者 大森 正晴 氏
日時:平成26年8月3日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 本研修会では、ワークランド虹の大森さんから、設立に至るまでの苦労されたこと、施設の概要、生産活動の内容とその様子などについてお話しをいただきました。
 ワークランド虹は、2011年5月1日に設立された就労継続支援B型の作業所です。利用者の方々が生き生きと作業をされている姿も紹介されました。大森さんは、利用者の方々が次の場所でも活躍できるよう、ここで力をつけて欲しいと願われ、そのような声かけも日々行っている、と話されました。
 参加人数は13名でした。


2014(平成26)年度

特別講演会・”「世界をさわる」〜視覚障害者文化から触文化へ〜”

講師:国立民俗学博物館 民族文化研究部・准教授 広瀬 浩二郎氏
日時:平成26年10月26日(日)
会場:第一セントラルビル(岡山駅前)

 点字の考案者ルイ・ブライユ生誕200周年を迎えた2009年、「ここで『点字の展示』を開催しないと後悔する」と強く思われた広瀬先生は、その展覧会のコンセプトとして、「触常者(視覚を使わないユニークな人)宣言」を発表されます。
 「〜できない,〜できにくい」というイメージでとらえられる「視覚障害者」ではなく、
・目で見えないからこそ触って物を知り,「考える」人
・琵琶法師のように五感を交流・交換させるきっかけを作れる「交わる」人
・触ることで感じる力が呼び覚まされる「耕す人」
という定義をされました。今回の講演会では、点字を「さわる文化」として再評価した広瀬先生の実体験をもとに、触覚や聴覚といった、残された力を磨くことの大切さや面白さについてお話しいただきました。
 参加人数は57名でした。

研修会・“視覚に頼らず音声で使うiPad,iPhone 〜支援者として知っておきたい活用法〜”

講師:広島大学大学院准教授 氏間 和仁 氏
日時:平成27年2月15日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 本研修会では、広島大学の氏間先生をお招きし、iPad(iPhone)を視覚に頼らず音声で使う際の、支援者として知っておきたい活用法を、実例を交えて具体的にお話しいただきました。
 iOSに搭載された"VoiceOver"(ジェスチャーで操作する画面読み上げ機能)の概要を学び、音声でiPadやiPhoneを操作することの有用性を、今回の研修では認識することができました。
 カメラ機能を使い色を教えてくれるアプリの紹介では,白を「灰色」と言うなど、性能が十分でないものもありました。しかし、それをすぐに「使えない」と判断するのではなく、例えわずかな情報であっても、活用の仕方によってその情報を10倍にも100倍にもできる可能性があるのだから、アプリを具体的に生活の中でどのように活用できるか、というところまで紹介できる支援者でありたい、というお話しが印象的でした。
 参加人数は24名(会員15名、非会員9名)でした。

講習会・“視覚に障害のある人の就労を考える”

日時:平成27年4月26日(日)
会場:岡山国際交流センター

 1部では講師に馬越あゆみ氏をお招きし、「数えきれないありがとう」と題して自身の就労についての体験談をお話しいただきました。馬越氏は、盲学校卒業後に日本ライトハウスで電話交換手の職業訓練を受けられたのですが、訓練終了後もなかなか就職口が見つからなかったそうです。現在勤めている会社では、特別扱いするわけでもなく、自然に接してくれ、安心して全力で自分の仕事に取り組むことができているそうです。「目が見えなくなって嬉しくはないが、目が見えなくなってから嬉しかったことは山のようにある」という馬越氏の言葉が印象に残りました。
 2部では、岡山県立岡山盲学校、岡山障害者就業・生活支援センター、岡山公共職業安定所、岡山障害者職業センター、吉備高原職業リハビリテーションセンター、倉敷障がい者就業・生活支援センターの方々と,鍼灸あんまマッサージ治療院を経営されている方々をお招きし,情報交換会を行いました。
 また当日は、岡山県視覚障害者自立支援センターとメガネのタナカにご協力いただき、視覚補助具や便利グッズの展示も行いました。
 参加人数は約70名でした。

研修会・“ロービジョンケアを必要とする患者様に対する眼科医のムンテラについて考える 〜網膜色素変性症を中心に〜”

講師:山縣眼科医院(兵庫県西宮市)院長 山縣 祥隆(よしたか) 氏
日時:平成27年6月14日(日)
会場:岡山国際交流センター

 「ムンテラ」とは、「口で治療する」という意味で、現在でも一部の医師や看護師が使用している言葉です。「話術で患者をうまく納得させる」という,医療側に有利な印象もある言葉なのだそうですが、山縣先生は,むしろ良い感触でこの「ムンテラ」という言葉を使われているのだそうです。
 今回の講演にあたり、「視覚障害者は眼科医から自分の病気についてどのような、あるいはどのようにお話を聞きたいか?」ということについて、網膜色素変性の患者さんにアンケート調査を行われました。講演ではその結果を示され、それを基に連携の在り方についてお話をされました。アンケートの結果から、「眼科医のムンテラによる患者の絶望感を救うのは,JRPS(日本網膜色素変性症協会)や同病の仲間が圧倒的に多い。したがって、生半可な知識でムンテラをするよりも、JRPSを紹介するだけに留める方が余程患者のためである。」とまとめられました。
 その他、現在の兵庫県のロービジョンケア体制についてもお話をいただきました。参加人数は会員、非会員合わせて25名でした。

研修会・“重複障害児を含むロービジョン児・者の視機能評価”

講師:かわばた眼科(千葉県浦安市)院長 川端 秀仁 氏
日時:平成27年8月9日(日)
会場:岡山大学病院

 本研修会では、川端先生の豊富な知識、経験から視機能評価を基本的項目から応用に至るまで学術的視点からご解説いただきました。
 講演の中では、錯視や視覚発達モデルなど、過去の代表的な論文を基に、視覚認知の基礎知識について紹介されました。特に、触覚刺激による一次視覚野の活動レベルについて、早期に視覚を利用できなくなった場合に、触覚刺激によって活性レベルが向上する、という話題は非常に興味深いものでした。
 また、脳性麻痺の児童に対する追視訓練において、検者がキャラクターのついた指標を患児の目の前で動かすだけではなく、実態に手で持たせることで次第に追視をすることができるようになっていく実例は、大変納得されるものでした。
 参加人数は会員、非会員合わせて30名でした。


2015(平成27)年度

特別講演会・”「見えない世界を伝えたい」”

講師:(公社)京都府視覚障害者協会 副会長 松永 信也氏
日時:平成27年10月18日(日)
会場:第一セントラルビル(岡山駅前)

 鹿児島県生まれの松永さんは、京都の大学を卒業後、長年の夢であった児童福祉施設にお勤めでしたが、網膜色素変性症の進行のために退職され、以後は講演活動等を幅広く活躍されています。
 松永さんは中学生の時に父親から病気を知らされたのですが、35歳くらいまではあまり不自由なく過ごせたそうです。ところがその頃から霧がかかったような見え方になり、2年後に眼科を受診したところ、医師から今の仕事を続けるのは難しいと言われ、39歳で退職後1年間は引きこもった状態となりました。その後京都ライトハウスで日常生活訓練を受け、自立した生活を取り戻されました。
 松永さんは退職後の1年間、時には「死んだ方がましだ」という考えも浮かんだが、いつの間にかそれを受け入れることができ、「あきらめる」のも人の持っている力で、障害を受け止める「仕方ない」という気持ちがみんなで共有できればよい、と述べられました。
 当事者の方には同じ視覚障害の仲間と出会って欲しい、周囲の人たちには、困っている様子を見たら「お手伝いしましょうか?」と声をかけて欲しい、と結ばれました。
 参加人数は会員、非会員合わせて50名でした。

研修会・“私の歩み”

講師:岡山理科大学 4回生 三川 草平 氏
日時:平成28年1月24日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 本研修会では、岡山理科大学の学生である三川さんをお招きし、「私の歩み」と題して、学生生活の中での出来事や思い、そして就職活動から学ばれたことについて、ユーモアを交えてお話しいただきました。
 幼稚園の時に全盲になられた三川さんは、中学校まで一般校に在籍、しかし当時の筑波大学附属盲学校のオープンスクールに参加し、理科の実験が普通にできることや、他の生徒と話が共有できること、盲学校ならみんなと同じ土俵で勝負できることを魅力に感じ,筑波附盲の高等部に進学しました。
 大学進学に向けての各大学への問い合わせ、予備校での学習の際「ブレイルセンス」購入の補助を受けるための交渉、進学した岡山理科大学での学習や友人とのやりとり、そして就職活動を通して、「自分の障害を適切に伝えることの大切さ」を実感され、自分の障害を説明するスキルを磨く必要があること、またそのためには自分の障害を受け入れることが大切である、と述べられました。
 参加人数は会員、非会員合わせて27名でした。

講習会・“視覚障害者の情報入手法と活用事例の紹介”

講師:社会福祉法人 日本ライトハウス情報文化センター 岡本 昇 氏
日時:平成28年4月24日(日)
会場:岡山国際交流センター

 岡本氏は、子供の頃から緑内障による視覚障害があり、読み書きには苦労されていたようです。21年前に日本ライトハウスで職業訓練を修了した後、大阪市役所に行政職員として採用され市民相談を担当、その後日本ライトハウスの指導員を経て、現在は同情報文化センターで、用具や機器の販売とパソコンを含めた相談業務、録音図書の製作をされています。
 岡本氏は、情報を得られるようになったときの感動について3つを挙げられました。1つ目は、点字ピンディスプレイとパソコンを利用した辞書を、簡単に引くことができたこと、2つ目は、WindowsXP上で動作するネットニュースリーダーというソフトを使って、ニュースが聞けたこと、3つ目は、発行日から5日ほどで週刊誌をはじめとする雑誌が録音図書で聞けるようになったことでした。
 また、全国の点字図書館がインターネットで繋がった、サピエ図書館というサービスを利用する方法として、プレクストークリンクポケットの紹介をしていただきました。点字図書館に連絡をしておけば、インターネットを経由して自分のリンクポケットに読みたい本を登録してくれるサービスを受けられたり、SDカードにデイジー図書を入れておいて外出先で聞くこともできたりする、ということなどを教えていただきました。
 岡本氏のお話しの後、iPhoneやiPad・プレクストーク・PCトーカー・拡大読書器・点字ディスプレイの体験や相談の機会を設けました。また、当会理事の歩行訓練士による生活相談も行われました。
 参加人数は約70名でした。

研修会・“「ロービジョン外来で人気の視覚補助具」”

講師:岡山大学眼科 守本 典子 氏
日時:平成28年6月12日(日)
会場:くらしき健康福祉プラザ

 本研修会では、当会副会長の守本先生に、岡山大学病院ロービジョン外来の概要、視覚補助具や関連情報、実際の事例についてお話をいただきました。
 視覚補助具の紹介では、日本ロービジョン学会発行で守本先生も執筆されている「視覚障害ハンドブック 〜見やすい!を手に入れよう」を利用した視覚補助具の説明や,補装具と日常生活用具や、その他の便利グッズについての説明、岡山県内で訪問訓練ができる「みちしるべ」の紹介がありました。
 研修会の後半は,岡山大学病院ロービジョン外来とメガネの田中から出展した視覚補助具を実際に使用しながら各種の特徴について学びました。
 参加人数は会員、非会員合わせて26名でした。

研修会・“「視覚に障害がある人の就労体験を聞く」”

講師:繁森 旭 氏(一般企業 事務職)・ 馬越 あゆみ 氏(一般企業 電話交換手)・
   三村 晃慶 氏(理療師)・名越 直 氏(一般企業 ヘルスキーパー)
日時:平成28年8月7日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 本研修会では、一般企業に勤められている2名と開業されている理療師の方、またヘルスキーパーとして企業に勤められている方の、合計4名の方からそれぞれの就労体験についてお話をしていただきました。
 4名の方々はいずれも,コミュニケーションの重要性についてお話しをされていました。
 採用の時や同僚や上司との関わり、同業者との関わり、顧客や患者さんとの関わり等、コミュニケーションを積極的にとり、自分にできることをして社会に貢献することの大切さについてお話しをされました。
 参加人数は会員、非会員合わせて33名でした。

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