岡山県視覚障害を考える会


過去の催しの報告

 本会で実施した、2021(令和3)年度以降の催しについてまとめました。
(注)本会の年度の始まりは10月1日、年度の終わりは9月30日としております。

講習会・“私が感じる歩行環境の変化〜当事者として・歩行訓練士として〜”

講師:大阪府立大阪南視覚支援学校 歩行訓練士 角田フローラ華子 氏
日時:令和4年4月2日(土)〜23日(土)
開催形式:当会webページ上でオンデマンド開催(vimeo)

 今回のご講演では、視覚障害当事者として、歩行訓練士としての二つの立ち位置から視覚障害者の歩行環境の変化を、実体験を元に分かりやすくお話していただきました。視覚障害者の歩行環境について改善への取り組みの現状と今後に向けた展望を、ハード面とソフト面から具体的な事例をあげながら解説していただきました。
 講演を通して視覚障害者の支援に関わる私たちにとって、多くの気づきをいただいた内容でした。社会の中で視覚障害が正しく理解されることで、視覚障害者が外出時に援助依頼を当たり前に出来る社会を構築していくことが、大切な歩行環境になるということに気づかされたお話でした。
 最後に「お互いを知ることで気兼ねなく気軽に声をかけられるようになり、そのことが他の方にも伝わり、全国に広がるようになって行けば」と、今後に向けた展望をお話いただきました。

 Web視聴回数は180回でした。


研修会・“「障害受容って本当は何? 〜自分が関節リウマチになって感じたこと、学んだこと〜」
 「患者主体のロービジョンケアとは? 〜ロービジョンの妻と暮らして学んだこと〜」

講師予定:原 志治 氏
     (医療法人アウゲン田辺眼科 非常勤講師・歩行訓練士)
日時予定:令和4年2月6日 (日)午後

※演者様のご都合により中止させていただきました。

研修会・“「視野障害…どんな風に見えるのかを想像し、どう困るかを考えてみよう」”

講師:張替 涼子 氏
     (新潟大学病院 眼科)
日時:令和4年6月19日(日)
会場:岡山県立岡山盲学校

 張替先生には、「視野障害」を中心としたロービジョン者の方の見え方や感じられている困難な状況についてご講演いただきました。
 講演内容は、視野に関する基礎的な内容から、視野測定の種類についてお話された後、中心視野や周辺視野の障害部位による見え方の特徴を、可能な限り画像で再現くださり、感覚的な観点も含めわかりやすくお話しいただきました。また、視野障害であったとしても、福祉サービスやICT機器を活用することで読み書きなどの手段が多くあり、希望を示す対応が必要であるとのことでした。
 本研修会は、2年ぶりの対面形式で開催することができました。参加者は会員10名、非会員27名でした。


特別講演会・”「今、飛び切り噂のスマートハウスをご紹介」”

講師:京都福祉情報ネットワーク代表 園 順一氏
     (視覚障害リハビリテーション協会理事)
日時:令和3年10月24日(日)
開催方法:"zoom"によるweb会議
     その後12月12日(日)まで講演会の音声をVimeoにて公開

 園さんは1946年、滋賀県の大津市生まれです。50歳(1996年)頃から眼が不自由になりロービジョンに関わる活動を始められ、ICT を利用した機器の開発や講座を企画・開発されておられます。
 2018年、点字毎日に「我が家のスマートホーム、スマートスピーカー」の記事が掲載され、スマートハウスが全国的に話題となっています。スマートハウスとは、「インターネット技術を使い、家電や設備を家の外からもコントロールすることで、便利な暮らしを送れる住宅」を指します。
 今回の講演では、Google Nest、Amazon Echo、LINE CLOVA、Apple HomePodといったスマートスピーカーの種類や設置条件と機能の紹介のあと、実際にスマートスピーカーのデモンストレーションをしていただき、スマートハウス化に必要な機器やその実例についてお話しいただきました。
 今回の特別講演はZoomによるオンライン形式で行われましたが、「パソコンの画面に映し出される映像は真っ黒、聞こえてくるのは演者の声だけ」という、これまでにない講演形式となりました。講演の中で園さんがおっしゃった通り、「目が見えない人にとっては、これが当たり前」であり、私たちは講演の内容を頭で想像しながら、聞き洩らさないように聴覚を研ぎ澄まして、本講演を拝聴いたしました。
 ※園先生が作成された講演レジメはこちらです。

特別講演会・“「山梨県視覚障害を考える会の活動報告」”

講師:原田 亮氏
     (甲府共立診療所)
日時:令和4年10月9日(日)
開催形式:"zoom"によるweb会議

 講師の原田氏は2009年から山梨県の甲府共立診療所にて視能訓練士として活動され、また山梨県視覚障害を考える会で理事を務められています。
 本講演会では、原田氏が活動されている山梨県視覚障害を考える会の発足から定期的に開催している「ロービジョンケア講習会」について、県内の眼科医や視能訓練士のロービジョンケアの取り組み、また山梨県立盲学校での視能訓練士の取り組みについて講演されました。
 「山梨県視覚障害を考える会」の発足は,2008年に当会の守本会長より提供された「岡山県版くらしの情報集」を甲府共立病院眼科の加茂先生が受け取られたことがきっかけとなったとのことでした。そして「山梨県版くらしの情報集」作成に向けて、眼科医、視能訓練士、医療ソーシャルワーカー、盲学校職員、当事者団体の方、県の障害福祉課の担当者などが加わり編集会議を重ねられ作成されたとお話しいただきました。それと同時に、編集メンバーの所属先を中心に掲載した山梨県版のスマートサイト「なかま」を作成されたことについてもお話しいただきました。そして、くらしの情報集とスマートサイトを県内の関係施設に配布するため、日本眼科医会の「社会適応訓練講習会」事業に申請することで正式に山梨県視覚障害を考える会が発足したとお話しいただきました。
 山梨県視覚障害を考える会の発足をきっかけとし、県内での視覚障害児者への支援のための連携の輪をひろげることができたこと、またロービジョンケア講習会を通して学びの場を作ることができたこと、自治体への啓発など今後の課題も見えてきたことなどについて具体的かつわかりやすくお話しいただきました。そして我々岡山県視覚障害を考える会の活動についても参考となるお話しが多く、刺激をいただくことができた講演会になりました。
 参加人数は会員12名、非会員9名でした。


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